製品に関するお知らせ

3Dマトリックス型自己軟骨細胞加工製品:臨床症状と、画像・関節鏡・組織学的評価を検証

  • 主要評価時点である治療後52週の観察を経て、2028年3月にトップライン結果を公表予定。
  • MRI、関節鏡および組織学的評価で、軟骨欠損部の充填、軟骨の修復度および軟骨組織を評価。
  • 外傷性の局所軟骨欠損に対するグローバルピボタル試験を先行準備。変形性膝関節症(OA)の結果が良好であれば、米国市場を見据えた追加の開発機会を検討。

自家細胞治療の開発に取り組むCynosBio株式会社(以下「当社」)は、開発中の3Dマトリックス型自己軟骨細胞加工製品IK-01について、OAを対象とする国内第III相試験で2026年11月5日に最終患者へのIK-01移植を完了したことをお知らせします。本試験はIK-01移植とヒアルロン酸ナトリウム関節内注射を比較する、目標症例数54例の多施設共同無作為化比較試験で、最終的に57例で治療が開始されました。観察・評価を継続し、トップライン結果は2028年3月に公表する予定です。

本試験では、臨床的な有効性とともに再生軟骨の構造修復所見評価を行います。MRI、関節鏡検査および組織学的評価を実施し、軟骨欠損部の充填、軟骨の修復度、軟骨組織を評価します。

代表取締役社長CEOの宇賀伸二は、次のように述べています。「最終患者への移植完了により、結果公表に向けて一歩前進しました。変形性膝関節症におけるIK-01の可能性を検証する重要な段階です。患者さんの痛みや日常動作がどう変わるか、そして、どのような修復組織が形成されるか。その両面を理解したいと考えています。当社は、外傷性軟骨損傷を先行させ、エビデンスが得られればOAへと広げる段階的な国際開発を進めています。この節目を支えてくださった患者さん、治験担当の先生方、臨床・製造チームに感謝します。」

臨床症状と再生軟骨の構造修復所見を評価

本第III相試験(jRCT2053240275)は、日本国内で実施する無作為化・非盲検・実薬対照・並行群間比較試験です。対象には20歳以上75歳未満、Kellgren–Lawrence分類グレード2または3の変形性膝関節症患者さんが含まれます。主要評価項目は、IK-01移植または対照薬治療後52週におけるWOMAC総合スコアのベースラインからの変化量です。WOMACは患者自身が痛み・こわばり・身体機能を評価する評価尺度です。

主要な臨床評価に加え、以下の再生軟骨構造修復所見を評価します。

  • MRI:軟骨欠損部の充填等の形態を評価します。
  • 関節鏡検査:軟骨の修復度、周囲軟骨との融合、外観を直接観察して評価します。
  • 組織学的評価:軟骨生検によるII型コラーゲンの発現を含む組織学的評価を行い、硝子軟骨の形成を評価します。

IK-01群では、治験実施計画に基づき、全症例を対象にMRI、関節鏡検査および組織学的評価を行い、臨床結果とともに再生軟骨の修復状態を明らかにすることを目指します。

本試験の医学専門家である神戸大学大学院医学研究科整形外科学教授・黒田良祐医師は、次のように述べています。「変形性膝関節症の治療では、痛みを和らげ、身体機能を改善し、QOL (quality of life)を向上させることが目標です。関節軟骨再生を目指す治療を評価する際には、その臨床結果とあわせ、再生軟骨の修復構造を理解することが重要です。MRIでは軟骨欠損部の充填、関節鏡では表面や周囲組織との融合、組織学的評価では生検によるII型コラーゲンを含む組織の特徴を調べられます。これらにより、IK-01の移植で正常な硝子軟骨を再生するかを評価できます。今後得られる臨床評価と修復構造評価の結果を総合的に検討し、本製品の有用性がさらに明らかになることを期待しています。そして、本製品が変形性膝関節症に苦しむ患者さんに新たな治療の選択肢をもたらし、一日も早く多くの患者さんに届けられることを心から願っています。」

観察・評価は継続しており、トップライン結果は2028年3月に公表する予定です。

IK-01について:生体内での軟骨再生を目指す設計

IK-01は、開発中の3Dマトリックス型自己軟骨細胞加工製品です。患者さん自身の軟骨細胞を3Dコラーゲンマトリックス内に包埋して培養します。細胞と足場を組み合わせ、移植後の体内で軟骨組織の形成・成熟を支える「生体内再生(in vivo regeneration)」を目指しています。

IK-01は、自己軟骨の採取から約2週間で移植が可能です。短期間の培養と、修復部位で細胞を支える3次元の足場を組み合わせています。この設計がもたらす臨床的・生物学的な結果を、現在のOAを対象とする国内第III相試験で評価しています。

段階的な国際開発

当社は、OAのグローバル開発に先立ち、外傷性の局所軟骨欠損を対象とするIK-01のグローバルピボタル試験を準備しています。国内OA第III相の結果が良好であれば、規制当局との協議や必要な開発要件を踏まえ、米国市場を見据えたOAのグローバルピボタル試験を検討する方針です。

当社が把握する限り、米国ではOAを効能としてFDA承認を取得した自己軟骨細胞移植(ACI)製品はありません。この領域は、既存の局所軟骨欠損の適応を超える新たな開発機会となる可能性があります。

CynosBioについて

CynosBio株式会社は、自家細胞治療の開発・事業化と国際展開に取り組む日本の再生医療企業です。膝関節軟骨疾患に対するIK-01を開発しており、本国内OA第III相試験の治験依頼者です。

重要なお知らせ

IK-01は開発段階の製品であり、日本および米国で承認されていません。本発表は開発上の進捗に関するもので、試験結果や治療効果の確立を発表するものではありません。

将来予測に関する注意事項

本リリースには、結果の取得時期、製造期間、軟骨再生および国際開発についての将来予測が含まれます。臨床結果、追跡・データ品質、規制要件、製造・物流、資金調達・提携等により、実際の結果は異なる可能性があります。試験の成功、計画どおりの開始、承認取得を保証するものではありません。当社は法令に定める場合を除き、これらの記述を更新する義務を負いません。