NEWS お知らせ
国内承認済みサクラシー®の国際第3相試験に向けた開発がAMED支援事業に採択
製品に関するお知らせ
重症眼表面疾患に対する自家細胞治療、米国を最優先にグローバル開発の新たな段階へ
- 日本で承認・保険収載済みの細胞治療:サクラシーは患者さん自身の口腔粘膜細胞を用いるため、健常な角膜輪部組織を必要としません。両眼に病変がある患者さんにとって重要な特長です。
- 段階的な補助金支援:GRiTの補助上限は1課題当たり17億円(フィージビリティスタディ最大2億円、国際共同治験費用最大15億円)です。なお、実際の交付は、最終的な交付条件およびステージゲート評価の結果に基づきます。
- 米国を軸とした次のステップ:薬事対応、各国の治験実施施設の調査、製品の国際物流の検証を進め、計画中の国際第3相試験に向けた基盤を整えます。
当社は、サクラシー®のグローバル開発に向けた研究開発課題が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」)の「革新的医療技術研究開発推進事業(産学官共同型) グローバルタイプ(難病・希少疾病治療グローバル研究開発支援事業)」(以下「GRiT」)に採択されたことをお知らせいたします。本課題は、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)または眼類天疱瘡(OCP)に伴う重症眼表面疾患の患者さんを対象とした国際第3相試験の準備を支援するものです。
サクラシーは、「角膜上皮幹細胞疲弊症における眼表面の癒着軽減」を効能・効果として、2022年1月に日本で製造販売承認を取得し、同年9月に保険収載されました。本治療は、2002年に京都府立医科大学で始まった臨床研究を基盤とし、承認後は国内の医療機関で使用されております。当社は、こうした国内での臨床実績と事業基盤を生かし、国際開発を推進してまいります。
当社代表取締役社長CEO宇賀伸二のコメント:
「サクラシーは、アカデミアの研究から生まれ、日本ではすでに臨床の現場で使われています。次のステージを世界へ広げることが私たちの目標です。今回の採択により、米国での開発に向けた準備の基盤が一段と強化されます。当社の臨床経験に、開発・事業化で補完的な強みを持つパートナーの力を組み合わせ、この治療をより多くの患者さんに届けたいと考えています。」
角膜にとどまらない臨床課題に取り組む
指定難病であるSJS/TENおよび類天疱瘡に伴う重症眼表面疾患では、角膜と結膜の両方に広範な瘢痕や癒着が生じ、痛みや高度な視機能障害を引き起こすことがあります。こうした患者さんでは眼表面そのものが深刻な損傷を受けているため、通常の角膜移植が適さない、あるいは移植しても予後不良となる場合があります。
サクラシーは、患者さん自身から少量採取した口腔粘膜の細胞を、ヒト羊膜基質上で培養して作製する上皮細胞シートです。細胞の採取元が角膜輪部ではなく口腔粘膜であるため、もう片方の健常な眼から角膜輪部組織を採取する必要がありません。これは、両眼に病変がある患者さんにとって特に重要な特長です。手術で癒着を解除した後、患部の形状に合わせてシートを整え、角膜および結膜の癒着部位に移植することができます。
京都府立医科大学大学院医学研究科 視覚機能再生外科学の外園千恵教授のコメント:
「指定難病であるSJS/TENおよび類天疱瘡による眼表面粘膜障害は、両眼性に高度の視覚障害を招きますが、これまでに有効な手術治療法はありませんでした。サクラシー開発の基盤には、これら難病の新規治療を目指して京都府立医科大学で20年以上にわたり積み重ねてきた培養自家口腔粘膜上皮シート移植の研究・臨床経験があります。サクラシーは、角膜上皮幹細胞疲弊症における眼表面の癒着軽減を目的とした再生医療等製品です。国内外に類似製品はなく、世界中にこの治療を待っている患者さんがいます。海外の専門家と協力し、日本で開発したこの技術を患者さんに届けたいと思います。」
国際第3相試験に向けた臨床・運用基盤の構築
フィージビリティスタディでは、米国食品医薬品局(FDA)および医薬品医療機器総合機構(PMDA)との薬事相談、米国・アジアにおける対象患者と治験実施施設の調査、製品の国際物流の検証に取り組みます。これにより、試験プロトコルにとどまらず、国際開発に必要な臨床・品質・供給面の要件を明確にすることを目指します。
当社は、2026年第4四半期にPre-IND相談を通じてFDAからフィードバックを得ることを計画しています。試験デザイン、目標症例数および解析方法は、FDAおよびPMDAとの相談を踏まえて確定します。
本開発は当社が治験依頼者として主導し、京都府立医科大学ならびに臨床開発・薬事・製造の各分野の専門アドバイザーと連携して進めます。国際共同治験では、将来の米国での生物学的製剤承認申請(BLA)を裏付けるエビデンスの創出を目指すとともに、アジアの一部の国・地域での承認申請も計画しています。
グローバル開発を支える段階的な資金支援
GRiTの補助上限額は、フィージビリティスタディが最大2億円、国際共同治験が最大15億円です。
最終的な交付額および支払時期は、AMEDの交付関係書類に基づき確定します。加えて、治験段階への補助は、フィージビリティスタディ終了後にAMEDが実施するステージゲート評価を通過することが条件となります。この費用分担の枠組みは、自己資金や将来的な戦略的提携を補完し、当社の国際開発の推進に寄与するものです。
AMEDおよびGRiTについて
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)は、日本の医療分野の研究開発を推進する国の資金配分機関です。2026年度に開始されたGRiTは、難病・希少疾病の国際的な臨床開発に取り組む日本企業を対象に、フィージビリティスタディへの資金支援と、国内施設の参加を含む国際共同治験の対象経費の分担を通じて支援する事業です。
※本資料は当社の企業情報の開示を目的としたものであり、医療用製品の宣伝・広告や医学的助言を目的とするものではありません。