
PIPELINE
自己軟骨培養細胞含有
コラーゲンマトリックス
- 膝軟骨の損傷について
- 膝軟骨に対するアンメットメディカルニーズ
- 自己軟骨培養細胞含有コラーゲンマトリックス
(開発コード:IK-01)
膝軟骨の損傷について
膝やひじといった関節にある軟骨は、その名前から持つイメージとは異なり、硬くて弾力性があり、なおかつ滑らかな軟骨(硝子軟骨)で出来ており、その耐久性は極めて高いです。しかしながら、ケガ(外傷)や膝関節の変形(変形性膝関節症)により膝軟骨が損傷を受けると、しばしば歩行が困難になるほどの痛みが生じます。軟骨組織は血液が通っていないことから、一度損傷を受けると自然には治癒しない組織である一方で、軟骨細胞には増殖する能力があることから、再生医療の力で軟骨細胞を再生する治療に注目が集まっております。
膝軟骨に対する
アンメットメディカルニーズ
変形性膝関節症は、自覚症状を有する患者や潜在的な患者も含めると国内でも約3000万人と推定されております。
膝の痛みの軽減については、現在保存療法(ヒアルロン酸関節注や薬物療法など)が主となっており、保存療法で効果が得られない場合、人工膝関節全置換術(TKA)が主な治療法となります。TKAは、痛みの軽減や機能回復という点について有効である一方で、可動域の制限や行動制限、耐用年数到来後の再置換など、多くの不都合やリスクも同時に生じてしまいます。
現状ではTKAが後期高齢期における実質的な最終手段でもあり、年間約9万人が人工関節の使用を余儀なくされておりますが、平均寿命が伸長していく中でその状態に至るまでの時間をいかに確保・延長するかということが、非常に重要なアンメットメディカルニーズとして存在しています。

KL(Kellgren-Lawrence grade)分類 : 変形性膝関節症の重症度評価に骨棘形成と関節裂隙狭小化をもって、グレード0~4の5段階に評価する
自己軟骨培養細胞含有
コラーゲンマトリックス
(開発コード:IK-01)
当社が研究を行う自己軟骨培養細胞含有コラーゲンマトリックス(開発コード:IK-01)は、患者さまの膝関節から採取した自己軟骨細胞を使用し、コラーゲンゲル内で培養した再生医療製品です。膝軟骨の損傷部位へ移植することで、自己軟骨細胞が再生され、損傷を修復し、また変形性関節症の進行を抑えることが期待されています。IK-01の移植は、膝軟骨への縫合を行うことなくフィブリン糊で生着させることが出来るため、短い手術時間で手術が完了出来ることが大きな特徴です。
当社では、外傷性軟骨損傷と変形性膝関節症を対象とした国内外での展開を見据えて臨床開発を進めており、IK-01の臨床応用の実現を事業目標としております。